一般社団法人化について

公開日: 2011年12月8日

公益法人制度改革による新法人への移行について

平成20年12月1日より新たな公益法人制度が施行され、現行の社団法人はすべて5年の移行期間の間に公益社団法人、一般社団法人のいずれかを選択し、平成25年11月30日までに必ず新法人への移行を完了させねばならなくなりました。もしこの期限までに移行が完了しなければ解散したものとみなされることとなります。この制度改革の目的を端的に言えば、新たなる法人の設立はより簡単に、公益認定はより厳格に、ということですが、移行作業は決して簡単ではありません。

公益社団法人のメリットは、①「公益」という名称を使用でき社会的信用度が高くなること(名称上のメリット)、②認定法上の公益目的事業は非課税になること(法人税法上のメリット)、③個人や法人の寄附の所得控除や損金算入が認められ寄附が集めやすくなること(寄付者へのメリット)です。一方、デメリットは①公益目的事業比率が全事業費の50%以上、公益目的事業に係る収入が収支相償であること(事業活動の制限)、②遊休財産額を公益目的事業費1年分相当にすること(保有財産の規制)、③これらを達成できず公益認定を取り消された場合には残余財産をすべて1か月以内に公益的団体、国、地方公共団体に寄附せねばならなくなること(公益認定取り消し時のリスク)です。

一方、一般社団法人のメリットは、①公益社団で課せられる公益事業目的比率、公益目的事業に係る収入基準、遊休財産額などにおける制限がないこと、②認定取り消しによるリスクがないことです。デメリットは、①種々雑多な団体と同列に見られる恐れがあること、②法人税制上の優遇措置がないこと、③寄附者へのメリットがなく寄附が集めにくいことです。

しかし一般社団法人であっても、「非営利性が徹底された法人の要件」と「共益的活動を目的とする法人の要件」を満たした非営利型法人であると認められれば公益目的事業については非課税となりえます。「非営利性が徹底された法人の要件」とは、定款に剰余金の分配を行わない旨の規定と解散時には残余財産を公益的団体に寄附する規定があり、これらの規定に違反した行為がなく、また理事のうち親族等である理事が理事総数の3分の1以下であることです。また、「共益的活動を目的とする法人の要件」とは、会員に共通する利益を図る活動を主目的とし、定款等に会費の定めがあり、収益事業が主たる事業ではないこと、特定の個人や団体に剰余金を分配する権利や法人解散時の残余財産を帰属させる規定が定款にないこと、特定の個人や団体に特別の利益を与えたことがないこと、理事のうち親族等である理事が理事総数の3分の1以下であることです。河内医師会は現行定款においてすでにこれらの要件をほぼ満たしていますが、さらに基準に沿った定款改正を行えば非営利型法人と認められる公算は極めて高いといえます。

公益認定は、行政庁が設置した第三者機関である公益認定等委員会への諮問・答申に基づいて行われ、大阪府による認定後の監督は従来の医療対策課ではなく法務課の担当になるなど、公益社団法人の運営にはかなり強い制約がかかってくるものと予測されます。一般社団法人の監督は従来通り医療対策課の担当で業務・運営全体について一律的な監督はなく、従前とほとんど変わりはないと考えられます。寄附収入がほとんどなく、非営利性が徹底された法人の要件を満たせば法人税法上のメリットがなくなる河内医師会が、指導・監督が強化された上に公益認定取り消しによる残余財産の寄附等のリスクを背負ってまで「公益」の名にこだわり、公益社団法人を選択することは甚だ疑問です。

医会関係の社団法人の多くは、本会と同様に非営利型一般社団法人への移行を目指していると思われます。しかし、一般社団法人への移行といえどもその認可に当たっては、公益社団法人と同様に内閣府の基準に沿った定款変更が求められ、かつ、一般社団法人への移行時に保有するいわゆる遊休資産を消費するための「公益目的支出計画」の提出が求められるなど、決して楽なものではありません。

「公益目的支出計画」とは、移行中の特例民法法人が一般社団法人に移行する際、正味財産額を基礎として算定した金額を一定期間のうちに公益目的に支出するための計画であり、この計画が終了するまで行政庁の監督を受けるというものです。要するに、今ある社団法人の財産はすべてこれまで公益法人として課税されずに貯まったものだから全部公益目的の事業で償還しなさい、という理屈です。そこでまず、数ある事業のうちから公益性にかない、かつ、赤字になる事業を継続事業として選別し、行政官庁の承諾を得る作業から始めねばなりません。救急事業や予防接種事業等、いくら公益性が高くとも行政からの助成金や委託金で黒字になる場合には継続事業には入れられず、その他の事業に区分されることになります。会計科目の形式は新会計基準によって定められており、従来医会の多くが行っていた部別の会計処理はすべて分解して組み直すという膨大で煩雑な作業が必要となります。そのため、これらの移行作業が手に負えない団体では法人法に詳しい会計事務所に高コストで委託、丸投げしているというのが現状です。

定款の変更については内閣府の基準に沿ったものとなりますが、代議員制を取っておらず全会員を法人法上の社員と規定できる河内医師会は、会員数が多く代議員制を取らざるを得ない日本医師会や大阪府医師会に比べるとさほど複雑ではありません。新定款では法人法の定めるところにより理事会や監事の権限が強化され、予算は理事会のみで決定されることになります。また、定時社員総会は専らに決算関係書類を審議する年1回となり、理事の任期は社員総会での選任時(役員は社員の決議により選任される)から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会終結の時までとなるため、現行のように役員選挙を2月に行い、4月から就任するといったことが事実上困難になる、などいくつかの変更点が出て来ることになります。

河内医師会は以上のような作業を経て期間内に非営利型一般社団法人の認可を受ける予定でありますので、皆様方には是非ともご理解とご協力を賜りたいと思います。

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